【コラム】スリランカの土地改革と今後の課題(前編)

IMG_6779

BkrSJKvCUAABtSmスリランカでは、新しい土地法を制定し、外国人および外国企業による土地所有を制限ました。一見、所有制限は海外投資家に不利に見えますが、実は投資のチャンスとなりえるという指摘があります。この新しい土地法を足がかりに、スリランカが抱える問題を考察したコラムを、スリランカ現地の雑誌「ECHELON」が掲載しています(2015年1月号)。このコラムから、1月の大統領選挙で予想に反して政権交代が起きた要因も読み取れるのではないでしょうか。コラムの全訳を前編・後編の2回に分けてご紹介します。


『新土地法は魅力的なものとなりえる』
~ロビー活動と信用問題が、税制改革の足かせに。

議論のあった資産譲渡を制限する新しい土地法は、海外からの投資をさらに呼び込む可能性があるのに、政府の信頼を醸成する能力の無さが、国内外の投資を制限してしまっています。

「スリランカは小さい国で土地も限られているため、外国人による土地使用に制限を設けることは合理的です。また制限を課すことは、スリランカに限って行われているわけではありません。一方で、新しい法律は更なる投資を呼びこむ可能性があると考えられますが、残念なことに今のところ政府は積極的には捉えていません。」と、税務エキスパートのN.R.ガジェンドラン氏は言います。

新法が成立する前は、外国人が土地を購入する際は、購入資産価値の100%の税金を前もって支払う必要がありました。新法案では、外国人は(購入は制限される代わりに)99年のリース契約を結ぶことができ、それに対して15%の税が課されることになります。

「コスト面から考えて、新法は大変魅力的な提案といえます。外国人は土地を実際に保有する必要はなく、リース契約を以って事実上の土地オーナーとなり、商業活動を行って利潤を生み出すことができます。したがって、愛国的な風潮に押しつぶされるのではなく、新法は多くの外国人にとっては歓迎するべきものだと認識するべきです」とガジェドラン氏は述べます。

紛争後の発展や、大幅な税制の変更(簡易化と軽減)、コスト低減などによって、スリランカは世界の投資家に人気が出るように、変革をすすめてきたはずでしたが、2013年度の外国直接投資(FDI)は9.16億米ドルと前年比2.7パーセント減でした。

「エコノミストは最近、日本と韓国の企業が2.5兆ドルもの内部留保があることに注目しています。それなのにスリランカのFDIはたったの50億ドル、あるいは良くて70億ドルにしか過ぎないのです。グローバル金融に流れ込む無数の資金のほんの一部しか、スリランカには流入していません。世界でも有利な税制をもち、成長分野も多いのにも関わらず、投資を呼び込めていないのはどうしてでしょうか」とガジェドラン氏は問います。

公共機関の独立性と公正性が欠如しており、貧しいガバナンスや複雑な法律と政府令が、投資の障害となっています。新しい土地法でも、政府と官僚によって認定される特定のプロジェクトに対して、特別な減税を施すよう「レント・シーキング(ロビー活動)」をする余地を残すものとなっています。

(後編に続きます)

海外活用コラム 翻訳:GTAC(2015年2月10日付)

この記事はお役に立ちましたか? 幻冬舎総合財産コンサルティングが運営する無料会員組織「カメハメハ倶楽部」に登録すれば、最新の関連情報やセミナー/イベントの開催情報などをいち早くお受け取りいただけます。無料会員登録は、登録フォームからどうぞ。