【コラム】どうなる?スリランカ沖のガス田開発(後編)

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スリランカ沖で発見されたガス田は、最大で2000億ドルもの経済効果をスリランカにもたらすと期待されている一方で、ガス田を発見したインドの石油大手企業が、世界的な原油価格の下落によって、このガス田の開発から撤退を表明しました。
スリランカのエネルギー政策に関して、カメハメハ倶楽部と提携している現地スリランカの情報サイト「ECHELON」に掲載された記事より、前編と後編の2回に分けてご紹介します。
後編の今回は、スリランカ経済におけるエネルギー政策についてご紹介します。(前編はコチラから
出典:http://www.echelon.lk/home/low-oil-prices-the-last-straw-for-cairn-india/


石油資源開発事務局、セイロン電力庁、国立交通委員会などを対象にしてエネルギー省が行った経済的影響の調査によると、ケアンインディアのガスの発見は、2040年までにスリランカへ2000億米ドルの経済的利益を与える可能性があるという。

「この資源の商業化を遅らせるほど、より多くの利益を失うことになる」と政府の石油・ガス探査事務局である石油資源開発事務局のサリーヤ・ウィックラマスリヤ事務局長は述べ、ケアンインディア社が中止した事業を引き継ぐ企業があれば、スリランカは価格交渉に多くの時間を費やすべきではないと指摘する。

エネルギー当局による調査によると、ケインインディアの2つのガス田の発見は、2040年までに2,000億米ドルの経済的利益をスリランカにもたらす見込みである。黄色の三角形は、エネルギーコストから、発見したガスの商業化で得られる利益を引いたものを示している。しかし収益化が遅れると、需要の三角形は右に以降し、発見したガスの利幅は薄くなる。

前政権は石油やガスの探索活動を重要視せず、国家エネルギー政策をまとめて、スリランカ周辺での資源探索の共同研究に取り組むことに対して、理解がなかった。しかし現政府になってから、その課題に向き合うようになってきている。

スリランカのエネルギー部門での発展計画では、2030年までに再生可能エネルギーを中心として、エネルギー自給率100%を目指している。マンナール沖でケアンインディアが発見したガスは、その行動計画に組み込まれている。計画では、2050年までに発電量を4,050MWから6,400MWに増やすとしており、2020年までにはそのうちの1,000MWがケアンインディアの発見した天然ガスから生産されると期待されている。一方で、ガスの産出には10億米ドルが必要であり、沖合から西海岸に位置する発電所までのガスパイプラインの開発に2億6000万米ドルが必要だという。

エネルギー省は、スリランカの上流・下流での石油産業の発展には、全体で36億米ドルが必要となると算出しも計画しており、それには3億5,000万米ドルがかかるとされている。また石油資源開発事務局は、ガスをインドに輸出することを提案している。

BP、シェブロン、エクソンモービル、シェル等のいくつかの石油メジャーは、スリランカ沖の可能性に興味を示し、スリランカの石油資源開発事務局を数年間にわたり訪問し続けている。たとえばフランスの石油大手トタルは、数年前からスリランカとの共同研究プログラムに取り組もうとしている。

スリランカが注目されているのは、かつてゴンドワナ超大陸の中心であったという、約200万年前の地理的な位置に起因している。当時、スリランカと同じ断層線にあった国々では、インドが石油・ガスの埋蔵をつい最近も発見し、モザンビークでは約100兆立方フィートという今世紀最大のガスを発見した。石油資源開発事務局では、マンナール沖に9兆立方フィートのガスと50億バレルの石油があると推測している。(連載終わり)

海外活用コラム 執筆:GTAC(2015年8月27日付)

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